-以下、備忘録

ご笑覧下さい。笑えねーけど。

-11月8日

11月8 (水昨日の映画観賞が(つまり日中ずっと起きていた)奏功したのか、いつもより少しは長めに寝られた筈である(記憶が定かではないが、少なくとも深夜徘徊の記録は無い)。恐らく、夜中には目覚め、そこから二度寝こそせぬにせよ、いつものようにYouTubeを流しっ放しにして聴いていたり、リビングで手持ち無沙汰にしていたのだろう。しかし、少なくとも以前の様な、じっとしていられない、いても立ってもいられない、という感覚は軽減されて来た様にも思える。"心と身体の調子を良くするお薬"の効果が表れてきたのか、はたまた、自身にとって、映画こそが最良の特効薬なのか。はてさて。とはいえ、睡眠不足であり、満足感を得られていない、という事実に変わりは無し。とまれ、ささやかながら家事手伝いをし、家人が出払った家で、暇潰しに録り溜まっていた番組を幾つか観賞・消去し、午前をやり過ごしながら、午後イチ上映の『ザ・キラー』待機。昨日の経験から、劇場鑑賞への不安は大分払拭された。何より平日の街は休日と比べ人が少ないのが、本当に有難い。観賞後、その足で内科へ向かうので、お薬手帳を持つのも忘れずに(診察券と保険証は最初から財布に入っている)。夏以外の季節で唯一有難いのは、上着を羽織る機会が増えるので、その分ポッケが増える事。ポケットの中にはお薬手帳一つ。かくして、他に必要なのはせいぜい財布、iPhone、目薬程度(鍵は未だ無し)。全てをポケットに仕舞い、手ぶらにて出発。結局、余裕を持って出てしまい早めに着いてしまったが、劇場自体が複合施設内にあるの為、暫しレストラン街を散策。ここにやって来るのも久しぶりだ。単に余り用事がないからだが、一年振り位ではなかろうか。大分店が入れ替わっているな、という印象を受ける。まあ、テナント料も馬鹿にならんだろうしな。にしても、ほんに世知辛い世の中やで。

 さて、そんな訳『ザ・キラー』。キレッキレなフィンチャーを堪能。後で予算(推定1億8,500万米ドル)を知り、愕然とするのだが、一体全体何処にそんな金かかったのか。ド派手な爆発、大量のエキストラ動員、構想ウン十年的なお話でもないでしょうがよ。いやいや完璧主義者のフィンチャーの事、誰も気にしない細部まで徹底的に弄くり回してるに違いない。映画ブログ書いている訳でもないし、考察厨は無数にいるだろうから、詳細は彼らに譲るとして、つまりは、どれだけ合理性を追求し、実現しようと試みても結局は(時に、自分でも思いがけず、想像もしない形で)非合理的な事をしでかすのが人間だろ、そもそもが我々人間という存在自体が、不合理、いや総じて不条理な訳だし。だから、何が"コスパ"、"タイパ"じゃ、ボケが、人間である以上、譲れぬものが確かにあるのだ、という話であろうと思う。後は、主人公が己に課すルールにある"Do not improvise(即興はなし).”が、今の自分に刺さった。臨機応変でない=頭を使っていない、工夫が足りない、融通が利かない、だからダメだ、的な風潮には本当に辟易する。息苦しい世の中だ。無論、主人公は最終的には、自らそれを破っていく訳だが。しかし、結局システムそのものからは逃れられない、そんな微妙な不穏さを漂わせながら(いや、実の所、己を律しなくてはならぬそうした"世界=システム"に戻る(隷属する)事を内心望んでいるのではとすら思わせながら)、映画は幕を閉じる。いともあっさり終わったり、なかなか終わら(れ)なかったり、人の生き死にはよく判らんと改めて思う。自身の斯様な状況下では殊更に。後、あれだ。敢えて言及は避けるが、某監督の某国営放送での密着ドキュメンタリーで、クライマックスの格闘演出時に「殺陣にしか見えない。殺し合いをして欲しいんですよ!」と宣うシーンがあったが、本作中盤の肉弾戦は、それはもう見事な"殺し合い"だった。それをきっちり見(魅)せるのが演出ってヤツなのでは? 個性やスタイルの問題で、別に某監督にケチをつける訳ではないけれども。

 かくして、静かなる興奮を胸にその足(文字通りの意味)で、内科へと向かう。前述した通り(10月23日)、血液と尿の再検査今回は前回よりも精密に検査して数値を出すので一週間ほど時間が必要である。診断時に、背中に紅斑らしきものが幾つかある、上半身の背中右が攣るような感じがたまにある(但し、これまでの人生で前屈時に手が、というか指が一度も床についた事が無い程度には私の身体は硬いので、もしかしたらその所為もあるかもしれません、肩凝りも酷いですし、とは告げる)、たまに右腰にチックと針で突いたような刺激を感ずる……等々気になる事を幾つか相談する。じゃあ、CT撮って視て貰おうかね。紹介状書くよ、とお爺ちゃん先生。薬は前回と同様の物を処方。その後、別室にて採血。それから検尿。しかし、先刻排出してから大して時間も経っていない為、念の為に水をがぶ飲みするも極少量しか出ない。改めて、紙コップ内の尿色を見ると、想像以上に濃い。一ヶ月程前に受けた健診の尿色はこの様な感じではなかった。厭な予感がする。ハン・ソロで無くともそう言いたくなる。後はCTの予約、という事になり、最短で11月15日(水の15時からに決定。なるべく朝食は早めに済ませて、その後は何も食べないように、水は飲んでもいいですよ、との事。場所はよく分からんが、何、Google様のお助けがあれば楽勝というもの。それはそうと、CTってよくよく考えれば初体験だな。映画では矢鱈お目に掛かる気がするけど、と思いながら帰宅。『ザ・キラー』を思い出しながら、心の中でもう何度目か分からぬ言葉を唱える。"常に最悪を想定しろ"と。勿論、我々の陳腐な想像力を時に軽々と越えていくのが現実であるのだが。