-以下、備忘録

ご笑覧下さい。笑えねーけど。

-11月12日

1112(日 生憎の冴えないお天気。起床早々に近所のコンビニへレターパックを購入しに行くも、au payでは購入できません、とつれないお返事。なんでやねん、猫も杓子もキャッシュレスちゃうんか、と思いながら財布を取りに家へと戻る、やや不機嫌なサザエさん。無事に購入。資料を種類毎にクリアファイルにまとめて、さて手紙をしたためようと思い、便箋って我が家にあったっけ? そう、妻に尋ねてみると、多分あったと思うお返事。だが、数分後に表れたのは可愛いイラスト付きの、誰がどう見ても幼児向けの物。流石にこりゃ無理だ、白便箋どっかなかったかな、と思いゴソゴソ棚を漁るも、見つからず。私、どうせ買い物の用事があるから序でに買ってくるよ。百均でいいよね、なる妻の申し出に素直に甘える事にする。であれば、本日は何をしようかという事になるが、昨日仕事をやり遂げた(遅すぎるのだが)感に浸ったのか、或いは最近歩き回り過ぎだった所為もあってか、多少は身体を休めるかと、基本家でゴロゴロ。お外に遊びに行くにも微妙な天気なので、家族皆ゴロゴロ。早めの昼食を済ませると、買い物に行って来るね、と独り妻は出掛け、残った三人で思い思いの時を過ごしながらお留守番をしていると、突然ピンポンがなる。お届け物か、と思い、はい、とインターホンを出ると、「○○ですけど(良く聞き取れなかった)、ののかさん(長女の仮名)いますか?」と、明らかに女の子の声。きっと同級生だろう。「いますけど、お約束ですか?」「いえ、特に約束はしてないんですけど」「わかった、ちょっと待ってて下さいね」、そう言って一旦切り、「何か名前よくわかんないけど、友達来てるよー!」と大声で呼ぶ。ほぼほぼヘッドホンをしており、余り人の話を聞いていないので。えー、なんだろう、髪の毛ボサボサだし、部屋着なんだけどー、とぶつくさ言いながら玄関扉を開ける長女。暫くの問答の後、「遊びに行く事になった!」と宣言し、急いで支度を調え、飛び出していく。"脱兎の如く"とは正にこの事。かくして次女と二人、家に取り残された私。iPhoneを弄ったりしていると、妻から"こんなんでいい?"と、便箋の画像付きでLINEが届く。無問題。念の為、長女が友達と遊びに行った、携帯は持たせた、連絡はあった?とLINE。連絡は無いそうだが、GPSで場所は確認したとの事。そうだった、謝罪のお手紙を書かなくては。これこそが"Do not improvise."案件ではある。さて、何と書こうか。恥の多い人生を送ってきたので、お詫びしたい事は山ほどあるのだが、冗漫になりすぎてもあれだ。"鉄人"の性格を鑑みるにあんまり、そうウェットな感じにせず、必要事項とお詫びの言葉とを簡潔に伝えた方が良いのだろうか。いずれは、直接お邪魔して正式に謝罪しなくてはならないし。いや、しかし検査結果如何では最悪の事態も充分に想定し得るしだな。兎に角、書き出し。そう最初のセンテンスが肝要だ。そこが決まれば、後は自分の感覚上スラスラと言葉がのってくる筈。この指だけが覚えているってか。正気と狂気の境の長いトンネル抜けたら、何処に辿り着くんだ、俺は?……と、グダグダ考えていても仕方ないので、率直に自分の気持ちを綴る事にする。所詮下書き、構えていても仕方ない。裏紙に赤ペンで書き始めると、あっという間に言葉はのった。一気呵成に書き上げた後、推敲。ふと、小学一年時の自分を想い出す。担任が、どういう訳か(良い意味で)自分に目をつけ、結果放課後に独り残され、読書感想文を矢鱈と書かされた(多分、作文コンクールに出すのが目的だったのだろう)。ま、正直、厭で厭で堪らなかった。友達と早く遊びたかったし、家に帰ってアニメを視たかった。興に乗ってすんなり書き終えられば良いのだが、なかなか書く事が思いつかない時は、放課後の教室(確か音楽室や視聴覚室とかではなかったか)で独り、校庭で遊ぶ子ども達の声に耳を澄ませたり、ぼんやりと外を、特に空を眺めたりしていた。担任はなかなかのスパルタっぷりで、書き上げるまで解放してくれなかったので、最後の方はやっつけ、或いは勝手に気持ちをでっち上げたりして、何とか原稿用紙のマス目を埋めた。今にして思えば、あの時の経験があったからこそ、文章を綴る事にそこまでの抵抗感は抱かなくなった今の自分はある(その後、まともに文章を書けない、そもそもが書く意欲の無い人間を、数多見て来た、本当に)。無論、手書きで何かを綴る機会もめっきり減ってしまったが。何がどうなるかなんて分からない。彼には感謝している。まだお元気でいらっしゃるだろうか。

 推敲を終え、一息ついていると、妻が帰宅。裏紙一杯に書かれた下書きを見て、結構長いねー、そう言いながら、便箋を差し出してくる。ありがとう、と受け取り、そのまま清書すれば良いものを、申し訳ございません。私の充電は切れてしまいました。やる気スイッチ何処にあるんだろー? 早く書きなよ、とやや呆れ顔の妻に、明日やるよー、と気の無い返事。明日やろうは、馬鹿野郎ってな。そんな事を考えながら。